介護職を長く続けておられるほとんどの方は、「お世話が好き!」「ありがとうと言われるとやり甲斐に繋がる」「身内の介護に携わり興味を持った」など、その人なりの理由やきっかけがあると思います。
今回は、私が介護士を目指すきっかけとなった祖母の施設入所についてお話します。

幼い頃からおばあちゃん子だった私は、当時同居していた父方の祖母によく遊んでもらっていました。
小学校にあがってからも、学校での出来事を話したり、一緒に食事を作ったり。
いつも穏やかで優しかった祖母の事が大好きでした。
そんな祖母の様子が、少しずつ変化していったのです。急に怒鳴りだしたり、トンチンカンな発言をしたり・・・認知症の始まりでした。

介護施設への入所が決まった時、介護で疲れ果てている母の姿を目の当たりにしていた当時の私は、ほっとした反面「まだ元気なのに施設に入れるなんてかわいそう」「家族がいるのによその人にお世話してもらう事になるなんて」という思いも頭をよぎり、複雑な心境でした。
当時の私にとって「家族を介護施設に入居させる」という事に良いイメージがなかったのが大きかったのだと思います。

しかし、両親に連れられて祖母が入居している施設へ面会に行くと、その思いが180度変わりました。
広々とした施設内はとても明るく、私が想像していた施設とは全く違った雰囲気。
介護スタッフの女性に穏やかな笑顔を向けている祖母の姿は、入所前に母を怒鳴り散らしていたのと同じ人とは思えません。
「○○さん(祖母)、表情がとっても明るくなったのよ」と、スタッフの皆さんが教えてくれました。
今思うと、その時はたまたま症状が落ち着いていただけだったのだろうと察することができますが、当時の私は「おばあちゃんが楽しそうで良かった」と素直に思えました。
その日を境に、介護施設に対するイメージが少しずつ変わっていったのです。
この頃の思いから「大事な家族を安心して任せられる、明るく楽しい施設作り」を心がけて日々仕事に励んでいます。

介護の仕事は、直接介護をさせていただく利用者さんはもちろん、そのご家族もサポートするやりがいあるお仕事。
「仕事キツそう」「給料安そう」と言われると否定できない部分も多々ありますが、それでもやっぱり「介護の仕事はやりがいがあって楽しいよー!」言えます!
「興味はあるけど自分に向いてるのだろうか?」と不安に思ってらっしゃる方・・・特に、男性の方!男性介護士仲間として、まずはボランティアや業界調査から始めてみませんか?